九州北部豪雨により亡くなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

いつもブログを読んでいただきありがとうございます。

福岡県糸島市で経営相談ができる税理士、小山知則です。

毎週金曜日にこのブログで私の専門としている経営と相続をメインに役立つ情報を綴っていきます。


今年も地方創生政策アイデアコンテストが行われます。

詳細はこちら→内閣府地方創生推進室(ビッグデータチーム)

昨年は、福岡県糸島市の職員、岡祐輔さんが最優秀賞を受賞されました。

詳細はこちら→

比較優位

 経済学の考えに比較優位というものがあります。

自由貿易において、それぞれの国がそれぞれの得意な事をすれば、自国も相手国もより多くの財を消費することができる(より豊かになれる)というものです。

これは、一国の中でも同じことが言えるでしょう

例えば、冒頭でご紹介した糸島市の職員、岡祐輔さんはRESASをはじめ様々な統計情報等から糸島市の得意(強み)は「食」の小売・卸売であるという客観的な根拠をそれらのデータから得ています。

 昨年には糸島市食品産業クラスター協議会も設立され、地元の漁師さん・博多女子高等学校の生徒さん・JF糸島・糸島市などが一体となって新商品「ふともずく」が開発されました。

ふるさと納税のお礼品にもなってます!

糸島の太もずく そうめんのり 

福岡県朝倉市ふるさと納税寄付金

大分県日田市ふるさと納税寄付金

福岡県朝倉郡東峰村ふるさと納税寄付金

RESASでは他の自治体や全国平均に比べ、自分の自治体の特定の産業がどれ位の位置にあるのか確認できます。また感応度係数※1や影響力係数※2も知ることができます。

糸島市の食料品の影響力係数は1.11と高い。

 したがって、比較優位の考え方で地元の強いところに経営資源を集めることができるでしょう。

※1各部門にそれぞれ1単位の最終需要が発生した場合に、どの部門が最も強い影響を受けることになるかを表す指標

※2どの部門に最終需要があった場合に産業全体に強い生産波及の影響を与えることが出来るかという影響力を表す指標

産業クラスター

 

 産業クラスターとは企業・機関・自治体などが地理的に集積し、ネットワークをつないでイノベーションを創出することです。

 日本においても経済産業省主導のもと、従来の垂直型(ピラミッド型)産業組織や、企業誘致に重点をおいた地域経済振興から、「産業クラスター」への転換が各地域で行われようとしています。

 

□ドイツ型産業クラスターの考えかた

中小企業は1社では弱いため、自社の不得意とする機能は、他の企業・機関と一緒に補い合えれば、疑似的に大企業と同等の競争力を得ることが可能であり、産業クラスターはそのためのオープンイノベーションの場である

 

 またドイツ連邦政府は”クラスターコンペ”を実施し、上位のクラスターに予算を付けるなど、クラスター間の競争を加速させ、また地方政府も企業が集まるようなクラスターに知恵を絞っています。

Hidden Champion(隠れたチャンピオン)

 今ではヨーロッパの優等生となったドイツもつい10数年前までは「欧州の病人」と呼ばれるほど経済が低迷してました。現在の日本と同様、少子高齢化と人口減少という現状に直面しているからです(現在もその構造は変わっていない)。

 では、ドイツはどうやって成長してきた(成長している)のか?

答えは、ドイツには世界に売ることができる中小企業、Hidden Champion(隠れたチャンピオン)※3があるからです。

①全輸出額に占める中小企業の割合約20%(日本約3%)

②EU向けは減少し、変わってBRICS向けは増加傾向

③名目GDP当たりの輸出額は日本の4倍

④2015年のドイツの貿易輸出額1.3兆ドル(日本0.6兆ドル)

 20年前、1995年のドイツの貿易輸出額0.5兆ドル(日本0.4兆ドル)

⑤Hidden Championの数ドイツ1,307社(日本220社)

 貿易輸出額において、以前は日本と比較してもほとんど差がなかったドイツでしたが、現在は2倍以上の大差をあけています。そしてなんといっても海外でも戦える中小企業の数の多さに驚きます。

 また、大都市だけでなく、地方に経済競争力をもつHidden Championが点在していることにより、地方の雇用や経済が活発になっているのが特徴的です。

※3 Hidden Champion

・世界市場で3位以内に入るか、各大陸市場で1位

・売上高が40億ドル以下

・世間からの注目度が低い

 

※4経済産業省レポート「独り勝ち」のドイツ;経済再生改革より

まとめ

 少子高齢化・人口減少は日本が抱える最大の課題であることはもはや疑う余地がないのではないでしょうか。そして、地方の創生こそが今の日本経済にとって一番必要なのではないかと思います。

 皆様の住む町の比較優位となる産業を探し産業クラスターを形成しHidden Championとなるような中小企業を創っていかなければなりません

 これからは、自治体・企業・大学などが形成するクラスターに対し、その町の地方銀行は積極的に資金を供給しなければならないでしょう。そのためには、クラスターと地方銀行の仲介となるであろう税理士・中小企業診断士などの専門家及び地方銀行は、地域企業の事業性や財務に対してもっと向き合っていく決意が必要になってくるのではないかと思います。

次回も経営に関して、他国の事例や日本の課題についても取り上げて行きたいと思います。