つみたてNISAのポイント

いつもこの記事を読んでいただきありがとうございます。

福岡県糸島市で気軽に経営相談ができる税理士、小山知則です。

毎週金曜日にブログで私の専門としている経営と相続をメインに役立つ情報を綴っていきます。お楽しみに!


2018年1月から積立NISAがスタートいたしました。

つみたてNISA創設の背景

さて、ここに面白いデータがあります。

□過去10年(1995年~2015年)における家計金融資産の推移

①日本:1.47倍
②英国:2.27倍
③米国:3.11倍

■同上における運用リターンによる家計金融資産の推移

①日本:1.15倍
②英国:1.63倍
③米国:2.32倍

わが国が誇る家計金融資産1,700兆円ですが、その半分以上が、現預金として冬眠していたため米国の半分も増えていないことが分かります。

また、売りたい商品だけを売ってきた日本の金融機関にもその責任があるかと思います。
わが国の銀行・証券・生保は、顧客の資産形成より自社の利益を最優先するため、毎月分配型や貯蓄性保険商品などの売りやすい商品あるいは売りたい商品を販売してきました
また、販売手数料や信託報酬なども米国などに比べ高く、フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)を行うことが求められるいます。

つみたてNISAのメリット

①2018~2037年間の最大20年間投資可能

②1年間の投資可能限度額は40万円

非課税期間は20年
例えば2019年に購入したら2038年まで非課税。
非課税対象となるのは、投資信託の分配金や譲渡益。

いつでも売却が可能

⑤つみたてNISAはその投資対象となる商品について金融庁より要件が課されているため、長期積立分散投資に一定水準は適していると思われる
例)指定インデックス投資信託の場合
A信託契約期間が無期限又は20年以上であること
B分配頻度が毎月出ないこと
Cヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
D指定インデックスに連動しているもの
E主たる投資対象資産に株式を含むもの
F販売手数料がノーロード(無料)
G受益者ごとに信託報酬の概算値が通知されること
 a国内資産対象のもの 0.5%以下(税抜き)
 b国外資産対象のもの 0.75%以下(税抜き)
H金融庁へ届出がされていること

つみたてNISAのデメリット

①現行NISAとの併用ができない
現行のNISA口座勘定からつみたてNISA口座勘定への移行はできます。

損益通算や繰越控除ができない
つみたてNISAで損失が出たときに、他の証券口座で生じた利益との相殺や、損失の翌年への繰り越しが出来ません。

非課税期間(20年)終了時の「時価」で一般口座などの課税口座へ移行される
ちょうど運悪く20年目がリーマンショックのような下げ相場と重なり、例えば20年間の投資元本720万円に対して運用成果が650万円で損失がでてしまった場合、一般口座へ取得価額650万円として移行されるため、仮にその後、値上がりして1,000万円で売却できても1,000万円-650万円=350万円につき課税されてしまいます。

④一人一口座まで

⑤ロールオーバー(非課税枠の翌年への繰り越し)はできない

まとめ

メリットの⑤でも説明したようにつみたて NISAの対象となる商品は一定基準が設けられているため、135銘柄と少なくなってます。

出典)金融庁 つみたてNISA対象商品届出一覧 

あとは、皆様それぞれの選定基準などでフィルターをかけてあげればそれなりに絞り込めるのではないかと思います。
私も先日、ようやく最後の1本まで絞り込みました(笑)

しかし、長期積立が投資の基本とはいっても、この先、急な資金が必要になるかもしれません。
従って中途解約ができないイデコで老後の年金の積み立てを行いながら、一方でいつでも売却可能なつみたてNISAを利用するというのもいいかもしれません。

ノーロード商品で金融機関にとってはメリットが小さいため、あまり積極的な盛り上がりがないそうですが、私たちが資産形成を行うには今回のつみたてNISAは非常に良い制度ではないかと思います。

これからは、預貯金だけを握りしめて老後を迎えることは、かえってリスキーかもしれません。今後の備えのためにもイデコやつみたてNISAで賢く運用していきましょう!

 

次回も事務所カテゴリーでは最新のお役立ち情報も発信していきます。お楽しみに!

 

 

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