いつもこの記事を読んでいただきありがとうございます。
福岡県糸島市で気軽に経営相談ができる税理士、小山知則です。
毎週金曜日にブログで私の専門としている経営と相続をメインに役立つ情報を綴っていきます。お楽しみに!
ビットコインの高騰がニュースになっております!
2017年初めは1BTC=10万JPYほどでしたが、
2017年12月21日現在は1BTC=198万JPYまで高騰しております。
また、国税側もビットコインをはじめ、仮装通貨に対する課税上の取り扱いについて
2017年12月1日にようやく所得の計算方法についてのFAQを出したばかりです。
しかし、多くの方が、自分がどれだけ利益を上げたのかすら正確に把握出来ておらず、
確定申告のしようがないとお困りなのではないでしょうか?
私も、先日実際に利益の計算と確定申告のご依頼を受けたところです。
そこで、今回は、一番ポイントになる年間の利益を計算する方法を中心にご紹介いたします。
年間利益の計算手順
1、まずは、取引所から計算に必要な取引履歴データをダウンロードしましょう
例)Zaifの場合
トップページの取引履歴から主要通貨とトークンそれぞれダウンロードしてください。
2、ダウンロードしたCSVファイルをExcelファイルに変換する
3、Excelのデータタブ自動フィルタ機能を使ってpepecash、xem、monaなど暗号通貨の種類別に抽出できるようにする
4、抽出した暗号通貨ごとにシートを分ける
5、自動フィルタ機能を使って、取引日時(昇順)に編集する
6、自動フィルタ機能を使って、取引種別を買いと売りに分ける
7、買いデータの右横に売りデータを並べる(データ選択コピペでOK)
8、価格×数量の列を挿入して数式(価格×数量)を入れる=これが取得価額や販売価額の列になる
9、8の数式を一番下までコピー
9、買いデータ数量の列の合計値(SUM関数)を出す=年間購入数量の合計
10、買いデータ取得価額の列の合計値(SUM関数)を出す=年間購入額の合計
11、上で計算した11を10で割った数値がその暗号通貨の取得価額(総平均法)となる
12、売りデータ数量の列の合計値(SUM関数)を出す=年間販売数量の合計
13、売りデータ販売価額の列の合計値(SUM関数)を出す=年間販売額の合計
14、上で計算した13に12を掛けた金額が年間販売原価になる
15、上で計算した14から15を差し引いた金額がその暗号通貨の年間の売買利益となります
16、あとは、年間の手数料を合計して16から差し引いてあげましょう
17、以降は暗号通貨の種類別に5~17の手順を繰り返しましょう
↓以下仕上がりイメージです。
ここでご紹介したのは総平均法と言われるものです。
仮装通貨の取得原価については、移動平均法でもよいのですが、
取引数量が膨大になる場合Excelでの集計は不可能ではないかと思います。
今回のケースでも年間の総取引回数(12/7現在)が3万近くまでいってました💦
今後における課税当局の動向予測
今回、実際やってみて感じたのですが、思ったよりもかなり手間がかかりました。
正直Excelなどの表計算ソフトが使えない納税者の方はどうやって利益を計算したらいいのか
途方に暮れるのでは(笑)と思います。
しかし、わが国の申告納税制度においては、納税者自らが自分の所得を申告すること
が義務付けられており、知らなかったや計算出来なかったという者に対して、法は一切
救済してくれません。
仮に、私が徴収サイドの人間なら、暗号通貨が高騰している今は敢えて泳がせておいて、
相場が下落に転じて多くの人が利益確定したタイミングで税務調査に入るでしょう。
何故なら、それが最も効率的でかつ効果的に税の徴収が出来るからです。
従って、今年や来年は大丈夫でもそれ以降に税務調査が入って
過去3年分の申告漏れが指摘されるというシナリオの可能性は
かなり高いかと思われます。
2017年500万利益
2018年300万利益
2019年800万損失
この場合、トータルでの儲けは0です。
仮に全く申告してなかったとして、2020年に税務調査に入られ、
一般的な過去3年分の調査となった場合、
2019年の800万の損失は考慮されず、
2017年の500万と2018年の300万の利益に対して課税されるのみです。
全く儲けてないのに高額な税金と無申告加算税まで取られて踏んだり蹴ったりです。
税務当局は取引所の個人取引履歴を閲覧できます。
不安心理を煽るわけではございませんが、
無申告で放置というのはハイリスクノーリターンです。
事業所得の注意点
所得区分についても原則は雑所得で、仮装通貨の取引で生計を立てている場合など
例外的に事業所得が認められています。
損益通算や損失の繰越控除など、事業所得には確かにメリットもあります。
しかし、所得が一定額を超えると、所得税や住民税以外にも事業税や予定納税の負担といった、
普段事業をされていない方にとっては、想定しずらい納税負担が生じる場合がございます。
そして、事業所得となると、取引の総量を売上や仕入として計上する必要があるため、
頻繁に取引を行っており、年間の取引回数が多い方については、売上が億を超えることも珍しいことではなく、決算書上において非常に目立ちます。
税務調査に入られる可能性はやはり上がるでしょう。
きちんと計算申告しているので問題ないとは言っても、やはり税務調査に入られること
自体が愉快な人はあまりいないのではないでしょうか?時間も取られますし・・・
なお、給与所得のみの方には関係ありませんが、消費税について、
2017年7月1日前の取引については課税対象取引となるため、
その期間の総販売額が1,000万円を超える場合は自動的に
2019年が課税事業者になってしまうというところにも注意が必要です。
お知らせ
今年、暗号通貨で利益が出たけど自力で計算出来ない、または計算する時間がないという方のため当事務所において、暗号通貨の売買利益の計算を受付いたします。
料金は10万円(税別)※です。
受付についてはお問い合わせフォームのみからで、お申込み順に先着21名様までとさせて頂きます。
→お問い合わせフォーム
税に関するその他の一般的なご質問など、本サービスと無関係でのご利用はご遠慮下さい。
宜しくお願い致します。
※確定申告までご依頼される場合は別途申告報酬を頂いております。
なお、申告期限まで日数がないご依頼の場合、期限後申告とさせていただくこともございます。
また、取引量が極端に多い場合等お受けできない場合もございますのでご了承下さい。