自営業か?法人か?そろそろ決着をつけようじゃないか!

西日本豪雨により亡くなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

福岡県糸島市の税理士、小山知則です。

毎週金曜日にブログで私の専門としている経営と相続をメインに役立つ情報を綴っていきます。お楽しみに!


自営業か?法人か?

自営業の皆様へ。

3月に確定申告をして所得税や消費税を支払ったばかりだというのに、

6月にはまた住民税、国民健康保険の通知が来て驚いているここと思います。

「自営業と法人どちらが有利なのか?」と思っていらっしゃる方も多いと思います。
実際私もよく質問をお受けします。

ということで、今回は具体例を挙げて検証してみましょう!

例)自営業のAさんのケース

・青色申告65万控除の適用を受けている

・従業員なし、配偶者(扶養)と子(年少扶養)が一人

・収入800万、経費200万、利益600万(65万控除前)

 

結果

自営業

自営業の場合の負担額は・・・・

・所得税復興税・・・261,000円

・住民税・・・354,000円

・事業税・・・155,000円

・国民年金保険料・・・392,160円(配偶者の分も負担)

・国民健康保険料・・・781,100円

 

 合計1,943,260円

儲けの約32.4%が徴収される計算です。

※国民年金保険料は年齢や自治体によって異なりますのでご注意ください。

法人

仮に法人にしたら・・・

・法人税等・・・71,000円

・健康保険料・・・623,040円

・厚生年金保険料・・・966,240円

・所得税復興税・・・117,800円

・住民税・・・225,300円

 

 合計2,003,380円

儲けの33.4%が徴収される計算です。

※利益は全て役員報酬として自分に払い出したとします。
標準報酬月額440,000円でほぼ法人の利益が0となるかと思います。
少し難しいのでここはスルーしていただいて結構です。
なお社会保険料は年齢や自治体によって異なりますのでご注意ください。

検証

今回のケースでは自営業の方が一年間で60,120円(2,003,380円-1,943,260円)負担が少なくなりました。

しかしここで注目していただきたい大事なポイントがあります。

少し乱暴な言い方かもしれませんが、

それは、「負担した金額のうち、完全に掛捨てになっている金額はいくらか?」ということです。

これは、上の青い文字のところ以外の合計をすればよいです。

自営業の場合、1,551,100円

法人の場合、1,037,140円

となります。

法人の方が513,960円負担が少なくなり、だいぶ有利となることがわかります。

 

つまり、一見すると負担の合計は自営業の方が60,120円少ないけれど、

健康保険料や税など自分に戻ってこない掛け捨ての金額は、

逆に法人の方が一年間で513,960円も少ないということになります。

まとめ

こうして考えると法人のほうが掛け捨てになっている金額が少ないので有利のような気がします。

しかし、法人の場合でもいくらか注意点があります。

①将来人を雇う予定

法人の場合、人(パートさんは一定要件あり)を雇ったら強制的に社会保険に加入しないといけません。人が増えれば増えるほど皆様の会社が負担する社会保険料は増えていきます。

②将来の公的年金が不透明

上の計算ではあくまで年金が掛けた分は貰えるという前提です。

したがって年金の将来給付額によっては法人の有利性が損なわれる可能性があります。

③iDeco(イデコ)に加入している又は加入予定の場合

毎月の掛け金の上限額が相当下がります。

自営業者・・・68,000円

会社員・・・23,000円

 

他にも自営業と法人での違いは多々ありますが、

今回は税や社会保険といった負担の違いに焦点を置いてご説明いたしました。

将来人を雇わない、公的年金も多少は貰えるだろうというお考えであれば

法人を検討してみてもいいのではないでしょうか。

 

次回もこのカテゴリーでは経営に関する気になる情報をお届けしていきます。乞うご期待!

 

内容は平成30年7月現在の法令に基づいています。
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

 

 

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