「里山資本主義」を読みました

いつもこの記事を読んでいただきありがとうございます。

福岡県糸島市で気軽に経営相談ができる税理士、小山知則です。

毎週金曜日にブログで私の専門としている経営と相続をメインに役立つ情報を綴っていきます。お楽しみに!


以前読んだ「デフレの正体」が面白かったので、同じ著者である藻谷浩介氏が執筆した「里山資本主義」も読みました。

著書ではマネー資本主義から里山資本主義へのゆるやかな転換。
つまり、世のお金が機能不全に陥った時のバックアップシステムとして水や食料や燃料を自給できるシステムを構築することの重要性を説いています。

マネー資本主義とは、複雑な金融工学を駆使してひたすら高い利回りを追求したウォール街のようなものだけではなく、規格大量生産により生み出される製品や、鉄筋コンクリートで作られた高層ビルや大量の化石燃料を消費するインフラなど高度経済成長期以降の現代的な日本を象徴するようなものとしてとらえています。

里山資本主義とは、バイオマスなどの再生可能エネルギーなど自然界から得られるものを燃料とし、田畑を蘇らせ食料などを自給したり或いは地域で融通しあう。全体のGDPはしぼむかもしれませんが、外部(とりわけ)産油国にキャッシュアウトすることはありません。

また、一つのシステムに過度に依存しないため、東日本大震災などの有事の際に安定したエネルギーや食料の供給が可能になります。

そして、それらがおりなす景色は暖かい木造住宅や田畑がつくるスマートで美しいコンパクトシティだとしています。
里山資本主義はマネー資本主義のサブシステムとして存在する必要があると説いています。

私はよく思うのですが、日本は(日本だけではないと思いますが)マネーの力が強すぎると感じます。

お金を払う人の方がモノやサービスを提供する人より、断然立場が強いのではないかと思うのです。

例えば今10,000円のサービスが購入されたとします。

お金を払う人もサービスを売る人もそのサービスが10,000円であることに同意して取引しているはずです。

つまりそれは等価交換であるということです。

勿論、そのサービスに10,000円の価値がないと思えば、次からそのサービスの購入をやめて、別のサービスを購入すればよいだけで、何も偉そうにお金を払う必要はありません。

長期的なデフレによる、物価の下落・貨幣価値の上昇でお金の力(お金を払う方の力)が相対的に強くなったということでしょうか?

 

藻谷氏の主張するマネー資本主義へのアンチテーゼの一番目に「貨幣換算できない物々交換の復権」とあります。

原始的な社会への時代の逆行だと思うかもしれません。

でも世の中から何にでも交換できる万能なお金というものが無くなって、

皆様の提供するモノやサービスが物々交換される時代になったら?

地域内で生活が完結する事が多くなり、地域コミュニティは今より強くなることでしょう。

皆様が提供する生産物やサービス、知恵や労働が今よりもっと尊重される可能性は高いと思います。

今まで金銭換算されずに埋もれていたボランティアなども立派なサービスとして物々交換の対象となりましょう。

当然、世の中からマネーとその原理を無くすることはできないかもしれませんが、部分的に里山資本主義を導入することは必要なのかもしれません。

税理士はどうでしょうか?

確定申告料は米3ヶ月分、顧問料は木材ペレット1ヶ月分・・・結構面白いのかもしれない。

 

次回もこのコーナーでは本の感想や日々感じたことを適当に書いていきます。

乞うご期待!

 

 

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